● ドラム缶の更生 ●

● ドラム缶の更生処理について

 更生可能な使用済空ドラム(原缶という)は、ドラム缶更生業者によって洗浄処理(再生)と焼き加工処理(改造)設備にて更生されます。更生可能なドラムとは、一体どの様な状態の空ドラムでしょうか?
 

● 空ドラムの回収基準

  空ドラムとは、一般的に用いられる方法として、例えば、注ぎ出し、ポンプ吸い出し(吸引)、揺すり出し等で、必要な場合はこれらを併用して、可能な限り内容物を取り出したドラム缶「空ドラム(原缶)といい、回収される空ドラムは以下に区別されます: 

 
 
 
(右のパンフは こちらからダウンロードできます)

● 更生可能な空ドラム

(1)外観: チャイムが健全で、天地板に著しい打痕(凹凸)がなく、口金部に歪みとか緩みがなく、胴体部分に著しい打痕(凹凸)・亀裂・穴・深錆び等がなく、洗浄・焼き加工(改造)等に支障を来す著しい損傷のない空ドラム。
(2)内部: 人体及び環境に有害な内容物(残渣・廃油等)がなく、ドラム缶更生業者による適法な処理(洗浄・焼き加工)が可能で、毒劇物及び悪臭等のあるドラム缶は物理的な方法(トリプル洗浄、化学的変質等)で、危険が排除されている空ドラム。
 

● 更生不可能な空ドラム

 ドラム缶の内外部を総合判断して更生不可能な空ドラム、及び更生しても自動充填・強度等の問題で需要が殆どない輸入ドラム(所謂、薄番手ドラム)を含め、使用済ドラムの状態でスクラップ処理されるドラム缶。

クローズ缶(鋼製タイトヘッドドラム)の洗浄工程例

※ 化学製品及び石油製品(潤滑油等)の液体用に使用されるドラム缶です。
 


《オープン缶(鋼製オープンヘッドドラム)の焼き工程例》

※ 中・高粘度の液体及び粉体、個体用に使用されるドラム缶です。


● ドラム缶は「リサイクルの優等生」 ●

● 使用済み空ドラムについて

 循環型社会の形成を目指し資源の循環を包括的に管理する法律、いわゆる「循環型社会形成推進基本法(環境基本法)に基づいて、家電リサイクル法、グリーン購入法等が施行されています。鋼製ドラムは様々な製品の保管・輸送用容器としてご使用いただいていますが、ご使用後は主として我々「ドラム缶更生業者」が回収して選別し、更生可能なドラム缶は洗浄加工(再生)または焼き加工(改造)処理を施した後、更生トラムとして再び製品の保管・輸送用容器としてご使用いただいております。堅牢で、品質・性能に優れた更生ドラムは、環境汚染の防止に最大限の努力を払い、我々の会員企業によって、様々な工程を経て更生されています。
 
 しかし、再使用・再利用できない更生不可能な使用済ドラム(スクラップドラム)は回収・選別後、スクラップヤード業者との受け入れ基準に基づいた作業(残渣の取り出し及び処分、粗洗浄、穴開け又は口金外し、臭気の中和、ライナーの取り出し等)を施し、鉄鋼副原料として材料リサイクル(再資源化)しております。この様に、スクラップドラムの再資源化には一定の処理を施さねばなりませんので、運搬費用に加え、作業に掛かる経費につきましても事情をご賢察の上、ご理解下さいますようお願いします。
 
 西日本ドラム缶協同組合の会員は、今後も関連法規制を遵守すると共に、環境基本法を推進し、限りある資源の有効利用を促進して参りますので、宜しくご協力の程お願いします。
 

● 鋼製ドラムのリサイクルシステム

 再利用可能な使用済200ℓ鋼製ドラムは、主としてドラム缶更生業者によって回収され、更生処理(再生・改造)後、再び市場に戻されます(循環型リサイクル)。